今井です。


先日、HPのマーク・ハードCEOが退任したことについて触れました。
退任の理由は、セクハラ疑惑でした。


そのとき、いつかは彼の能力がまた必要とされることもまた出てくるだろう、そしてそれをアメリカ社会は受け入れる土壌がある、というようなことを言いました。


すると、その問題がまだ落ち着かないうちに、なんと、彼は、HPとかなりの部分で競合するオラクルに、共同社長として引き抜かれて就任してしまいました。


あまりの急展開で、言葉も出ません。


ここまで米国社会も心が広いとは、恐れ入ったとしか言いようがありません。


通常は、もうすこしおとなしくしているように思うのですが・・・


さすがに、HPもこの前CEOがオラクルに入ると、機密情報が流出するという理由で、その人事を差し止める訴えを起こすようです。

もっとも、訴訟が提起されたカリフォルニア州は、雇用についてはかなりリベラルなので、そのような職業選択の自由をしばることは難しいのではないかと思いますが、さて、判断はどうなるでしょうか。



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今井です。


会社の存亡を左右するような危機に見舞われたとき、どのように対応するのが得策なのでしょうか。


先日、ロイターの報道で、アクセルペダルの不具合に際してのトヨタ、海底油田のオイル漏れがあったBP、AIGとの損失負担の取り決めで問題になった投資銀行ゴールドマンサックス、の3社を例にこの点が論じられていました。


一般に、企業法務の立場からは、責任を一旦認めてしまうと、巨額の損害賠償責任を負いかねないとして、極力責任を否定するべきだ、と言われています。


他方、広報の立場からは、なるべく早期に謝り、迅速に対処しているところをアピールすることが、世間の評判を維持するのに有効だとの主張があります。


どちらも一理ありますね。


ロイターの論調では、やはり、人間の心理としては、失敗は認めたくないし、カッコ悪い、ということで、言い訳をしたり、意思決定を遅らせたりすることがありますが、それは事態収拾を遅らせ、良い結果をもたらさない、としています。


そして、例えばトヨタの例では、社長が紙を見たりせずに、ちゃんと自分の言葉でしゃべらないと印象が悪い、などということも述べられています。


素直に謝る人に対して、人間は赦す性質がある、ということも言っています。


ただ、この話は、やはり米国的というべきかもしれませんが、あまりにノウハウ重視にかたよりすぎているようにも思います。


ここにみられるような、危機管理の専門家や法律家のアドバイスに従ったマニュアルどおりの対応ではなく、もっと血の通った、誠実な対応こそが、相手の心に通じるのではないでしょうか。


それは、朴訥でもかまわない、紙を見たってかまわないものだと思います。


小手先の対応を気にせずに、むしろ普段から、どういうマインドをもって経営をしているのか、というその真価が、いざというときに問われることになります。


付け焼刃ではなく、ココロを磨いておくことが肝要です。



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今井です。


経営はなぜ思った通りに行かないのか、ということについて、先日、米シカゴ大のR.H.Thaler教授がニューヨークタイムズに寄稿されていました。


教授によれば、その主な理由は、一言で言えば、経営者の「自信過剰」ということのようです。


それまでの成功体験に基づき、自分が経営すれば、この会社を絶対に良くすることができる、という考え方で戦略を立て、その結果、環境の変化に対応できずに失敗する、というケースが多いということです。


実際、大手企業のCEOやCFOに、経済動向の見通しを立てさせても、当たらないことの方が多いという実験結果も報告されています。


「運も実力の内」とも言いますが、自信過剰とラッキーの組合せというものと、真の経営能力とは、なかなか区別がつきにくいものです。そして、実際に、そんな経営者がツキに見放された途端に、より悲惨な結果を招くことになります。


また、「ナルシスト」の経営者ほど、自分を過信して、過剰投資を行い、失敗し易いという研究成果も報告しています。


かくいう私も、ゴルフをしていて、林に打ち込んでしまったときに、「あの木と木の間を抜けてグリーンに」というスーパーショットをイメージして打ったショットが、結果は木に当たって、より林の奥へ奥へと行ってしまうというような経験が何度もありました。


何事も、「己を知る」ことが肝心です。



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今井です。


昨日も触れましたが、新生GMが上場するということの意味するものは、一体何なのでしょうか。


あれからずっと考えていたのですが、よく分からなくなりました。


一般的に、上場は、新株の発行を伴い、その増資した株を市場で売ることで、新たな資金が会社に入るものです。つまり、上場により、会社にお金が入ってくるわけで、その資金を獲得するために、会社は上場します。


ところが、今回のGMの上場は、新株発行を伴わず、政府を初め既存の株主が市場で株を売ってGMの株主の地位から降りるだけのようです。


これでは、会社は、上場を行うだけの時間とコストをかけても、直接のメリットを得られないことになります。かえって資金の社外流出が発生するだけです。(幹事証券会社に支払うフィーだけで、100億円だそうです。)


しかも、現CEOのウィテッカー氏は、これでめでたく退任、年末まで会長を務めた後は、GMの株などを自由に処分してキャピタルゲインを得られる立場になるわけです。まさに、アメリカの資本主義的な行動で、ばっさりと工場や人を減らして短期的に利益を上げてゴールデンパラシュートでのエグジット、というように見えなくもありません。


米国景気の先行きの不透明感が増し、上場の「窓」が小さくなってきている中での、手に汗を握る脱出劇、と言う風に見るのは、穿ちすぎた見方でしょうか。


もっとも、GMが「ガバメント・モーターズ」の略だと揶揄されるように、国有化されている状況は異例であることは間違いなく、いつかは正常化させる必要があるのは事実です。


ただ、それが、本当に今でなければならないのか、と言う点には疑問が残ると思います。



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